ここから見える世界は。

「リクルートスーツとか、浮いてません?大丈夫かな。」
「そもそもこのへん会社員ばっかだし、宮野が思ってるほど浮いてないよ。」

何の慰めにもならない言葉を、自信ありげに言う結城さん。こういうのも嫌いではなかった。
 その日の食事もあっという間だった。仕事の話、内定式での結城さんのエピソード、1年目の話。その全部がきらきらしていて、まぶしく感じた。お店を出て、駅までの帰り道。結城さんは、こう言った。

「宮野さ、まだ時間ある?ちょっと話したいことあるから、そこの公園寄っていい?」
「時間は全然ありますよ。あ、そこのカフェでコーヒー買っていきましょ!さっきも食事ご馳走になったし、次は私に出させてください。」
「……じゃ、宮野に甘えようかな~。」

新作のフラペチーノとアイスコーヒーを携えて、公園へ向かう。夏の足音がずいぶん近くで聞こえていたあの日は、外で話すのにちょうどいい気候だった。