深夜、鈴の体調が急変した。放課後の保健室で胸に激痛が走り、鈴は苦悶の声をあげる。蓮は仲間を伴い、すぐさま鈴を車に乗せて病院へと駆け込んだ。

白い病室。点滴に繋がれた鈴は、か細い声で蓮を呼ぶ。蓮は揺れる鈴の手をしっかり握り、無言でその額にそっと唇を寄せた。

「俺が言っただろ。お前を絶対に一人にはしないって」

蓮の声には揺るぎない決意が宿っていた。鈴は涙をこらえながら、震える声で答える。

「ありがとう…蓮といると、どんな夜も怖くない」

翌朝、主治医から告げられたのは、長期にわたる治療計画。しかし蓮は迷わず、「お前のそばで全部受け止める」と宣言。夜葬の仲間たちにも支援を要請し、鈴のための小さなツーリングを計画する。

窓から差し込む朝日に照らされ、鈴は微笑みを返す。

「次は、もっと遠くまで――二人で行こうね」

蓮は深く頷き、二人だけの未来を胸に刻んだ。