授業中、健ちゃんが話しかけてくるのを避けるために私はずっと寝たふりをしていた。


ゆぅ君は心配そうな顔で私を見ているんだろうか？

だけど、私はゆぅ君のことが見れなかった。


これ以上心配かけたくない。

迷惑かけたくない。


それが、私の正直な気持ちだった。






放課後、私はなつと一緒に千絵を待っていた。


ヒロ君に会うのが気まずかった。

でも、そんな心配をよそにヒロ君はなぜか教室にいなかった。


だけどそれが、唯一の救いだった。


千絵のクラスも終わって３人で下駄箱に向かった。



「桃子、大丈夫？」


千絵が心配そうに私の顔を見る。


３人の視線の先には、２年の不良達とヒロ君がいたからだ。


「うん、大丈夫だよ」


私達は気にせず下駄箱に向かった。


「水嶋！！ちょっと、待ってくれ！！」


不良達の前を通り過ぎようとしたとき、ヒロ君の声に私は足を止めた。


私は、びっくりしてヒロ君の顔をじっと見た。