「うわぁ~、やっぱり景色キレイだね・・・」

「ホンマやなぁ~」

今まで、二人でベランダに出て話すこと
なんてなかった。


私は、洗濯物を干す時ぐらいしかベランダに
出ないし。

ゆぅ君もタバコを吸う時ぐらいしか出ない。

だから、こうして二人で並んでベランダに
出るなんてことなかった。


「私、夜景がキレイだなって思うようになった
 のって、最近だよ。もう25才になったし、
 少しは大人になったのかなぁ?」

今まで、夜景を見に連れて行ってくれる人も
いなかったしね・・・。

なんて思いながらそう言った。


「俺も、そうだしな!前は、夜景とか見ても、
 全然なんとも思わんかった・・・」

ゆぅ君と一緒にみるからキレイなんだよって
言うと、ゆぅ君はそうかもなって笑った。


否定しないんだね・・・。



「あの辺が、学校かな?」

私がそう言って、指差すと、

「違うだろ?あっちだろ?」

ってゆぅ君が私が指差した方向と全く逆の
方向を指差した。


「本当に~?」

「水嶋、鈍感な上に方向音痴か?
 困った奴やな~」

ゆぅ君はそう言って、私を笑った。


それからしばらく、私は夜景に見とれてた。

きっと、ゆぅ君もそうだと思う。


だって、しばらく何も話さなかったから・・・。