「おじゃましてます。
 水嶋桃子っていいます。
 タケル君には高校の時から仲良くして
 もらってます」

私はそう言って、おじきをした。


「いらっしゃい~」

女の人は、優しい笑顔でそう言ってくれた。


「タケル君のお姉さんの奈々さんですよね?
 ずっと、会いたいと思ってました」

私がそう言うと、

「タケルの姉です。
 私も桃子ちゃんに会いたかったわ~」

奈々さんもそう言ってくれた。


奈々さんは私の隣に座って、話し始めた。

「タケルから、いつも聞かされてたの。
 桃子がどうした~とか、こうした~とか。
 タケルっていつも私に、桃子ちゃんの話
 ばかりしてたのよ」

「私の話してたんですか?」

私はびっくりしてそう聞いた。


「そうよ。タケルはいつもあなたの話ばかり
 してた。だって、あなたのことが好きだった
 んだからね」

そう言って、奈々さんは静かに笑う。

「えっ?そんな昔の話しなくていいですよ~」


なぜ、今そんな話をするのか、分からない。


「だって、タケル、ずっと桃子ちゃんのことが
 好きだったでしょ?健二から頼まれた時
 は、んなこと知るかよって言ってたのに、
 すぐに惚れちゃって・・・」

「姉貴、やめろって!」


隣で、タケルが慌てて、
奈々さんの話を止める。


必死なタケルが可笑しくて、私は笑ってた。