「タケル・・・?」

「分かったよ、桃子の気持ちは・・・。俺も、よく考えるよ」

タケルはそう言って笑った。


でも、その笑顔はいつものタケルの笑顔じゃなかった。

まだ、無理して笑ってる。


タケルはどんな結論を出すんだろう?

私はタケルがどんな結論を出しても見守っていこう、そう決めた。


私達は車に乗り込み帰ることにした。

車の中で、少し話をした。



「なぁ、指輪、着けてるんやな・・・」

「うん・・・」

タケルは私の右手を見ながらそう言った。


「いつから気付いてたの?」

「お前が、『お〜い、タケル〜!!』って手を振りながら来た時からだよ」

「うそ・・・?早いね、さすがだよ。タケル君は!!」


私がそう言って笑ってると、タケルは、ムカツク〜って言いながら笑ってた。


「ねぇ、かわいいでしょ?」

私はそう言って、タケルに指輪を見せる。

・・・なんだか、あの頃を思い出す。


ゆぅ君からこの指輪をもらってはしゃいでた私は、毎日健ちゃんや梨花達に見せびらかせてばっかりだったこと。