「俺、ホンマは知ってたんや。桃子の過去の恋・・・。中学の時に付き合ってた人のことも。お互い好きなのに別れたんだろ?その人と俺は似てるんやろ?」

「違うよ・・・」

確かに似てると思ったことはあるけど・・・。


「だけん、俺と付き合ったんだろ?今でも、そいつのこと好きなんだろ?」

「違うよ!!それは、もう昔のことじゃん!!今は何も関係ない!!」


こんな翔さん初めて見る。


「その指輪をもらったんだろ?」

翔さんはそう言うと、私のネックレスを指差す。


「桃子、そのネックレスお守りって言ってたよな?一生付けとくって言ってたよな?」


そう言う翔さんは怒ってたけど、顔はすごく悲しそうだった。


「これは・・・」


私は言葉をつまらせた。


「それ、外せるか?もう、関係ないんだったら外せるだろ?」

「・・・・・」

「無理だろ?」

「・・・ごめん・・・」


翔さんは私をじっと見た。


「私、本当に・・・」


私の言葉をさえぎるように翔さんは言った。


「そいつのことがまだ好きなんだろ?もう、素直になっていいんやで・・・」


翔さんはそう言って、目線を私から遠くへ移した。


「俺、もうそいつの代わりは出来んわ。別れよう・・・」


そう言って、翔さんは下を向いた。



私はその時、気付いた。

翔さんが泣いてることに・・・。


私、知らない間に、こんなにも翔さんのこと傷付けてたんだ。


悲しい想いさせてたんだね。


ネックレスを外して、捨ててしまえばいいの?

そしたら、翔さんは私を信じてくれるの?


私は本当に翔さんが好きだよ。


でもね、このネックレスだけは外せないの。


それだけは、分かってほしかった。