あの優しい笑顔も 顔を見たら何でかホッとする安心感も 冗談言って笑い合う瞬間も、 海で抱き締めて支えてくれるって言ったのも 全部最初から嘘だったの? あたしはあなたを信じていたよ。 「──────キッツいな……もう…」 丁寧にしたメイクは涙で崩れ、あたしはトボトボと一人で赤いトランクを引いて帰った。 その光景を、あたしのポケットから顔を出したイルカのストラップが寂しそうにゆらゆら揺れていた。 あの日 あたしは心の何処かであなたの笑顔を沈めた。 海のように、何処までも深い場所に。