「愛美さん、指名です。お願いします。」


「はーい」





名前を呼ばれてにっこり微笑むと、ピンクのグラデーションが綺麗なドレスに身を包み、控室を出る。



ふわふわと揺れる巻髪は今日も丁寧にセットされ、上からのシャンデリアの光が肌に当たると、キラキラのボディーパウダーが反射した。

 





「お待たせしました」







キャバ嬢、愛美(まなみ)。


19歳。





この世界に入ったキッカケは何もかも失ったから。



自分も、お金も、友達も………全部。








………大好きな人も、失ったから。