DEEP BLUE





どんなに酔っ払って帰って来ても、
どんなに不機嫌な顔をして帰って来ても、



変わらない笑顔で出迎えてくれる彼の存在が………
あたしは、嬉しかったんだと思う。



何気ない、毎日の「おかえり」がくすぐったかった。
でも言ってくれる存在が嬉しかった。



もちろんまだ人を信じるのは怖かったけど、人と話せるということが楽しいと思えるようになってきた。



きっとこういう積み重ねで人は色んな事を忘れていくんだろうな、と思う。






「………あ、」


「?何ですか?」


「ちょっとコンビニ寄りたいかも」



あたしは距離が近くなったコンビニの看板に気付いて声を掛けた。



「何か買うんですか?
俺代わりに買ってきましょうか?」


「ううん、大丈夫。
晩御飯だから」



「………」




太郎は何も言わないままだったけど、あたしは特に何も気にせず、バッグから財布を取り出して車から降りる準備をしていた。



………けど。




「え?ちょっと!」




ブォォォ……!!




まさかの車は、コンビニをフル無視で通過した。