「────…愛美さん……」
「あは、ごめ……ごめんね……」
戸惑う太郎に申し訳なく思う。
だってさっきまで酔っ払って騒ぎまくってた女が急に泣き出すんだもん。
困るよね、意味分かんないよね。
でも、ごめん。
今のあたし、何で泣いてるのかとかいちいち説明するのめんどくさいんだ。
それに、何で泣いてんのかも理由が分からない。
……自分でも。
毎日毎日泣いて泣いて……泣き過ぎたあと。
何でこんなに泣いてるのか、そもそもの理由が分からなくなったの。
悲しい理由が多過ぎて、今は何が何だか分かんなくなっちゃった。
─────……ただ、“好きだった人”との時間が尊くて。
笑い合っていた過去、
ずっと続くと思っていた未来。
そして訪れる、あなたがいなくなった無の時間。
───────あたしはこの頃
その現実を受け入れているようで受け入れられていなかったのかもしれない。
忘れられなくて、ずっとあの人に縛られたままだった。
……あたしは、いつ自由に羽ばたけるのだろう。



