まだまだ暑い、夏の夜。
深夜でもまだ暑さを感じる素肌に、目眩がする。
───────……飲み過ぎた。
嫌な事を忘れるように、毎日毎日身体にアルコールを注いでる。
"その間だけあの人の事を忘れられる"……そんな気がして。
マキの事も、あんな狭苦しくて辛い日常も、全部全部……
───────…そう。
こんなバカみたいな日常を何回も繰り返していれば、きっといつの日か忘れられる……。
ふらり、とHEAVENの扉を開け、もつれた足取りで向かうのは
「──────愛美さん、おかえりなさい」
ニコッと笑う、太郎。
誰も言ってくれない“おかえり”を言ってくれる人。
孤独にまみれた寂しさを、少し緩和してくれる人。



