「海洋生物について勉強したりだとか潜水士目指したりだとか……ま、そんなとこです。」
「へぇ〜……海、か……」
「昔から海が好きで。
水族館とかガキの頃めちゃくちゃ行ってました。」
「あぁ!分かる!!あたしも水族館めちゃくちゃ好き!」
「ですよね。愛美さん、海とか似合いそうです」
「え……そう?」
「はい」
興奮混じりにそう話すと、太郎はニコニコと同調しつつ頷いて笑う。
海が似合う、なんて言われたの初めて。
別に褒め言葉だろうし、深い意味はないだろうけど何か嬉しいな。
あたしも海好きだから。
「はぁ………。
海かぁ〜……水族館も……行きたいなぁ………」
ぼそっと呟いた、あの時のあたしの言葉。
完全な独り言だったんだけど……。
「………」
流れる車の音に紛れて、太郎には聞こえてないと思ってた。
でも、太郎はちゃんとあの時逃さず聞いてくれていたんだよね。
──────……ねぇ太郎。
あの時太郎はあたしに海が似合うって言ってくれたけど。
あたしはやっぱりあなたの方が一番似合うと思うな。
広大な……
海のような深い青がよく似合う、あなただから。



