一人ポツンと座り、窓を見て考える。



……あたし、何でこうまでして毎日学校に来るのかな?



それは間違いなく夢の為。
 

だから、自分からここに身を投じてる。

こうまでして頑張ってるんだよ。



……絶対に負けない。

負けちゃいけない。




そう心の中で何度も何度も唱え、自分を奮い起たせていた時だった。








「おはよー♡」





ガラッと勢い良く扉が開き、ヒラヒラと手を振りながらクラスの中心格が入って来た。

今日もバッチリ決めてるヘアに派手めな化粧。
明るく染めた髪が、憎らしいくらいよく似合う。



彼女は、マキ。




かつて、あたしとすごく仲が良かった友達だった。


心から信頼していたし、少なくともあたしは彼女の事が好きだった。



………だけど、数ヶ月前。

彼女はあたしから大好きな人を………寝取った。






「マキちゃんの席に害虫が座ってたから処分しといたよぉー」




「えー!!マジ!?

やだーあたしこの席座るのー!
服汚れちゃうーーーっ!!!」







…………




あたし、害虫なんだ。


仲良くしてた頃もあったのに……。


それが今や害虫になっちゃったんだね…。





………ペラッ……




手持ち無沙汰にペラっと捲った教科書には、“性悪女”、“死ね”、“バカ”、“女狐”、“学校来んな”…………と平気で書かれてある暴言たち。





………悲しい、なんて感情は


もう通り越していたよ。