こんな毎日を繰り返す様になったのは、多分最近の事。
何だかよく分からないうちに、いきなり標的になってしまったみたい。
「もー、どかないんなら移動してあげるよ」
え?と疑問を浮かべるスキもなく、クラスメイト達が机に広げていたあたしの荷物を乱暴にひったくって行く。
「ちょっと……!」
「これで全部かなぁ?」
「あっ……」
瞬く間に。
教科書やノート類、お弁当箱など……
次々に彼女達が手に取り、向かった先は………
────ボスッ!!という鈍い音と共にホコリが舞い上がる……
ゴミ箱、だった。
「………」
虚しい、っていうのはきっとこういう感じなのかな。
だってもう……さ?
悲しすぎて涙が出ないんだよ。
「………ッ、」
ギュッと奥歯を噛み締め声を殺す。
大丈夫、こんなの慣れっこだから。
毎日されてる事だから。
────クスクス……
あたしの背中辺りから、意地悪く笑う何人かのくぐもった笑い声を聞いた時。
────カサッ…………
カサカサ……
あたしは黙ってゴミ箱からホコリと食べ物の汚れにまみれたそれらを取り出し、広い教室の一番後ろの窓側の席に移った。
「きゃはは……」
「あー!やっとどっか行ってくれたー」
みんなが楽しそうに笑い合っている席から、何十列も離れた場所に。
「………」
いつもポツンと、一人で座っている。
誰にも言えない。
言えるわけない。
……これが、あたしの日常だった。



