太陽が眩しい中、あたしはサングラスをかけて外に出る。
こうすれば、視界が夜みたいだから。
嫌いな太陽の光を目にしないで済む。
「………暑い…」
……季節は、夏。
ジリジリと容赦なく照りつける太陽が、二日酔いの頭に余計ダメージを与える。
汗ばむ肌をハンカチで押さえつつ、奴隷列車の様な満員電車に乗り継ぎ……
ようやく、目的地の大学へ辿り着いた。
……昼間は、普通の大学生。
ここまでは普通。
違うのは……
「──────そこどけよ」
──────パンッ!
シンとした教室に響き渡るのは、頬をぶたれた乾いた音。
「っ…」
突然の出来事に、グラリと視界が回る。
どうやら座っていた所を突然クラスメイト数人に囲まれ、頬を引っ叩かれたらしい。
あぁ、今日も始まったよ…………と。
もう諦め半分に、心の中で溜め息を吐いた。
ただ座っているだけなのに、邪魔者扱いされ排除される。
………それだけが、きっと普通と違うこと。



