やばっ………!
「ご、ごめんなさい!!
シャンパン高いから、嬉しくってつい♪」
「あはは可愛いねー愛美ちゃん」
………ほらね。
誤魔化す為の嘘なんかすぐ口から出てくる。
あたしは直ぐに体制を立て直し、いつもの触りない笑顔を顔にくっつけた。
「でっ?何ですか?♪」
「だからね、愛美ちゃんは昼間は何をしてるのかって聞いたんだよ。」
「昼間?
あー……何でしょうね?」
会話を交わす様に笑うけれど、堂島さんもすぐには引いてくれない。
「で?昼間は何をしてるの?
愛美ちゃんまだハタチそこらでしょ?」
………しつこい。
放っといてよ、と言いたくなるのを堪えつつ、
あたしはこんな時いつもこの言葉を言っていた。
「………シンデレラ♪」
「シンデレラ?」
「そう、お昼はシンデレラなの。
で、夜もシンデレラ♪」
……きっと意味不明だったと思う。
でも………
この頃のあたしには、こう言って誤魔化すのが精一杯だったんだ。



