ギター部の恋愛事情

 一真との出会いは、私の世界を変えた。何年も終わらなかった負の連鎖が終わり、ずっと探していた心から信じられる人が見つかった。

 私は、一真と他の人との恋の違いを、次の候補の有無以外にも見つけた。それは、泣くことだ。私は、次の候補がいる恋をしていた時に振られても涙など出なかったし、この人にも好かれてるんだろうなと思っても、ちょっと嫌だなと思うくらいで泣くほど嫉妬することは無かった。

 でも、一真と付き合って、一真の周りの人たちを信じれなくて、無意識に涙が出ることだってあった。本当に愛していたら、感情が無意識に出ることを知った。やっぱり、一真と出会うまでの恋はきっと本当ではなかったのだろう。

 自分の恋愛を他人と比べたり、普通の進展具合と遅れているからといって、焦る必要はないのだ。自分たちは自分たちのペースで、他と比べるのではなくちゃんと一真と向き合って、二人の歩幅でゆっくりでも前に進めればいいのだ。ふとそう思った。

 私の世界を変えてくれた君へ

 私と出会ってくれてありがとう。

 私を認めてくれてありがとう。

 私を信じてくれてありがとう。

 私を愛してくれてありがとう。

 きっと一真に出会わなかったら、知らなかったこと、分からなかったことがたくさんあった。

 ずっと間違った恋愛を繰り返してこんな幸せを知ることは無かった。

 何年、何十年先でも、

 一真の隣で自信を持ってこの言葉を言いたい。

 私の世界を変えてくれた君、一真を私は世界で一番愛してます。