ギター部の恋愛事情

 二月上旬、軽音楽部との合同演奏会が行われた。その後のバレンタインと重なっている合宿で、気持ちを伝えることにした。どうやって伝えるか悩みに悩んで、言葉と、手紙で捕捉を書き渡すことにした。

 伝える内容が決まるまでの数週間毎日手紙の下書きを書いた。同じ内容でもっと良い表現を見つけるために。

 合宿の一日目、2月14日の夜。私たちは、星空を見ていた。私はあの満天の星を見て、星たちが応援してくれていると思った。部屋に戻る時に私は一真に言った。「あとで話したいことがある。」

 同級生や、先輩に手伝ってもらい、元々予定していた時間に一真を呼んだ。一真がやってきて私は、「私は一真のことが好きです。付き合ってください。」と言った。

 一真は驚いていた。そのことは、私と違って恋とは無縁の生活を送っていた一真を困らせるには十分すぎる出来事で、両想いを確信して言った私は、今までと違って次を用意していないので、この先のことに不安を覚えた。

 合宿が終わった。彼は、結局今は付き合わないが、友達として過ごすことを選んだ。もし付き合うならもっとお互いのことを知ってからにしたいらしい。でも私は、告白した後に友達を続けた経験がないので、すごく戸惑った。一真はいつも通り声をかけてくれる。でも、それにどう対応したらいいか分からなかった。

 あれから何か月か経ち、友達として過ごすことに慣れてきた。友達と言っても表面上だけで、私は会うたびに好きが増していて、私たちは、同級生に既に付き合っていると勘違いされていた。それくらい仲良くなっていた。

 それでも、一真の気持ちは分からないので、友達という立場から一生変わらないのではないかと思うほどだった。そのせいで、色んなとこで嫉妬をした。

 春学期が終わり、私ももう一真と付き合ってるのではないかと錯覚するようになったころ、夏合宿を迎えた。夜に二人で散歩に行った。一緒に居られるだけで幸せなのかも、と思う反面一真を自分の特別な人にしたいという思いもあり、それらが喧嘩をしていた。

 夏休み、一緒に恋愛映画を見に行った。この関係をはっきりさせるまで帰らないつもりで、万が一友達で居たいと言われたら、二人で会うのを辞める覚悟で過ごした。