ギター部の恋愛事情

 俺は、思いもよらない奇跡を目の当たりにし、二人に口止めされていたが、一人だけに言うことにした。

 軽音学部の部活の日、俺は拓人に声をかけた。「拓人聞いてくれ、日野と田村が両思いだ。」突然のことで拓人は、「木下さん、何言ってるんですか、アル日野さん女しか興味がないし求めてませんよ!」と言った。「いや、俺も、そう思ってたんだけど、日野も田村も、なんか悩んでたから話を聞いたら、お互いが好きって言いだしたんだ。」と俺が言うと、「マジっすか!めっちゃおもろいですね。ぜひ応援しましょう。」と拓人が言った。

 二人が両想いだと分かったので、拓人に相談し、二人が付き合えるように手伝うことにした。ただ、いつも授業でも、部活でも隣にいた親友であり、相棒である田村が、どこかに行ってしまうみたいで少し寂しかったが、日野と田村が好きな人と付き合えるなら嬉しかった。

 俺は、日野に田村をデートに誘うように言うことにした。お互い両想いなら、断ることもないだろうし、何なら、この一回で付き合うことになるのも不可能ではないと思った。

 「木下、話って何だよ」日野がやって来てすぐ言った。「日野、田村をデートに誘え」と俺が言うと、「え、いきなりすぎて田村驚くだろ」と言った。「まずは、友達として出かけるように誘えばいい、誘ってしまえば、日野がなりたい関係に近づけるようにすればいいから。」と俺が言うと、「それもそうだな、よし、誘うか」とデートに誘うことに燃えていた。