つぐなえない罪


「ごちそうさま。美味しかったです」
「あっ。ユウちゃん、お皿洗っとくよ。今日大変だったでしょ?」
 食べ終わって、お皿を洗おうとすると、沙智江さんにそう言われた。
「でも・・・・・・」
「いいのよ。いつも頑張ってくれてるし。今日くらい甘えなさい」
「じゃあ、お言葉に甘えて」

 自分の部屋に戻って、早速CDをかける。
 曲が流れる。

♪一番星へ Just fly away

 教科書+αのワークを開く。
 せっかく白ノ蘭に首席で合格したのだから、成績は上位キープしておきたい。
 まずやるのは、数学。数学は、2問くらい間違えたと思う。その後、理科をやって、それで、明日の予習をしよう。
 そう思って、シャーペンをとった。

「あら、ユウちゃん。お勉強は?できた?」
「うん。今から寝るね、おやすみ」
「はいはい。おやすみ」
 寝る前、トイレから帰っていると、おばあちゃんに話しかけられた。
 私は大体10時に寝て、朝は5時半に起きて、家の周りを走るようにしていた。
「おやすみ。また明日」
 この言葉を言わないと、眠れなかった。
 ベッドに寝転ぶと、思い出すのは、あの男の子。
 名前は確か・・・。南雲 哉人、くん。
 不思議な男の子だったなぁ。洞窟が家って。
 まぁ、確かにいろんな物あったけど。
 家はないのかな?学校はどうなんだろう?
 ・・・・・・明日も、行こっかな。あの洞窟に。
 あの子、嫌がるかな?
 でも、あそこは、ただの洞窟だし・・・。
 い、いいよね?