「今日、その彼に、柚香の秘密、全部話すんだね」
「うん・・・。全部、話せるかは分からないけど」
史那と、校門に向かって歩く。
「そっか〜。・・・頑張ってね」
私、上手く話せるかな?
哉人くんは、どう思うかな?
ものすごく、緊張する。
すごく、不安。
「柚香。もし、拒絶されたら、私がいっぱい慰めてあげるからね!」
「うん、ありがと、史那」
史那に拒絶されなかったのは、奇跡みたいなものなのだ。
・・・たとえあれが、"罪"でなかったとしても。
「あ、来た来た。・・・柚香」
「哉人、くん・・・」
私は、心を決めて、あの洞窟に行った。
「哉人くん、あのね・・・」
こちらを真っ直ぐ見てくる、哉人くん。
ひるんじゃダメ。
「私・・・、この手で・・・。この手で、人を殺した事があるの」



