つぐなえない罪



「ねぇ、許斐さんって尾見西さんと仲良いよね。いいな〜。許斐さんと仲良くって。親友なんでしょ?」
 ふいに聞こえてきた、声。
 最近知った、コバヤカワさん、とかいう人だと思う。
「別に・・・。史那とは仲良いけど、親友じゃないよ。・・・ただの友達?」
 え・・・・・・?
「そーなんだー。じゃあ、私と尾見西さんって、同じステージなんだ」
 うそ・・・・・・。
 私たちって、親友じゃなかったの?
 そりゃ、勝手に私が思ってるだけかも、って思ったこともあったけど!でも、柚香、最近私と一緒にいるとき、ちょっと柔らかくなった気がしたから、てっきり・・・。
 それに、あの会ったばかりのコバヤカワとかいうやつと同じレベルって、嫌なんだけど。
 私は、小学校から一緒なんだから!
「じゃあ、私と一緒におべんと食べようよー」
「あー・・・。ごめんけど、お昼は史那と一緒に食べる、って決めてるから」
 途中から、何も聞こえなかった。
 私は、2人が私に気づかないように、必死に後ずさった。
 ーー必死に、涙をこらえて。