ちょっとすると、12階に着いた。
エレベーターのドアが開き、私はエレベーターを出た。
鼓動がドックンドックンと鳴っている。
すぐに最高部室に着いた。

ゆっくりとドアを開くと、広いホールのようなところへ出た。
奥に人が見え、私は自然と背を伸ばしていた。
最高部の人たちの目の前まで来ると、私はお辞儀した。
「お話とはなんでしょうか。」
私の声は震えていた。不安が隠せない。
真ん中に座る女の人が、にっこりと微笑んで言った。
「そんなに緊張しなくてもだいじょうぶですよ。
アナタに…頼みたいことがあるのです。」
「え」
思わず私は顔を上げた。
右に座る女の人が言った。
「カル島というところへ5日間行き、調査してほしいのです。」