しばらくすると、施設長の合図で、みんなは勉強をしていた。
「うー、分かんない!難しすぎるよ。」
クリネがうなっていると、ファブアリがとなりに行き、教えていた。
なんだかいい光景だなあ、と私は思った。
「お姉さん、教えて!」
急にトーサに紙を渡され、私は戸惑った。
嬉しかったが、あくまで調査のためだけに来ているのだ。
「こういうのは…」
施設長が私たちの方に来ると、私はほっとした。
よかった、断ってくれ…
「ぜひ見てあげてください。」
ええ!?
にこにこと笑う施設長。キラキラとした瞳のトーサ。
私はうなずくしかできなかった。
トーサに教えていると、他の子全員も教えてと言い、けっきょく私は全員分を教えてあげた。
ようやくおわり、疲れきっていると、子どもたちが言った。