カル島と動物人たち

「お姉さん、うちに何の用なの?」
キッパリとした声が聞こえた。声を発したのは、オオカミ科の少女、ファブアリだった。
「お姉さんはね、ここを調査しに来たの。」
施設長が答えた。
でも子どもたちは納得していない様子だった。
「調査って、何…?」
ファブアリのうしろに隠れていたウサギ科の少女、クリネが尋ねた。
「こわいことはしない…?」
施設長が笑った。「しないよ。」
「ただ、どんな感じなのかなーって見るだけ。」
「何のために?」
まだ顔をしかめているくま科の少女・クーマが聞いた。
「うーん、そういう仕事なのよ。ね、もういいでしょ?」
困ったように施設長が言った。
「オレは分かったけどな。」
ネコ科の少年・トーサが自慢げに言った。