栗色の髪の毛を三つ編みに編み、私は鏡の前で「よし。」と言った。
カバンを持ち、玄関で靴を履く。
ドアを開けて外に出ると、澄んだ空気を感じた。
「今日もがんばるぞ。」
1人でつぶやいてから、歩きだした。
しばらく道を進んでいくと、ある建物が見えてきた。
看板に大きな文字で「動物支援団体・ファクサ」と書かれている。ここが私の働く職場だ。
この世界には、一般の人と動物人という2種の生きものがいる。
動物人とは、人間だけどケモ耳やしっぽが付いており、性質も動物のような人間のことだ。
そういう“子ども”たちについて研究しているのが、私たち動物支援団体(通称・ファクサ)だ。
その子たちは特別な存在のため、施設で過ごし、私たちが定期的に調べに行っている。