悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜





公爵邸から逃走して1週間が経った。
ユランの小さな銀行で無事300万を下ろした後、私はただひたすら帝国外へと逃走する為に、国境を目指していた。
そして私はこの1週間で自身の体の変化のサイクルをだんだん把握し始めていた。

体の変化のサイクルとは、時間によってあの息苦しさに必ず襲われ、吐血と共に私の体が12歳から19歳になり、また19歳から12歳になるということだ。

太陽が昇っている時間帯になると、12歳の姿になり、太陽が沈む時間帯になると、19歳の姿になる。
私の体はこの1週間、ずっとこのサイクルで変化し続けていた。

だが、まだ体が変化する詳しい時間までは把握できていない。
太陽が沈みきって、深夜になっても全然19歳の姿に戻らない時もあれば、太陽が沈んだ数分後には戻っていた時もあったからだ。

また何故、このような変化が私の体に起きているのか原因まではわかっていない。
長距離移動でただでさえ体力を消耗しているのに、さらに毎日毎日あの苦しさに襲われ続け、私はもういろいろと限界寸前だった。

なので何とかこの変化の原因を突き止め、解決する為に、あの〝時間を戻す〟魔法薬を作った張本人、魔法使いキースに私は会いに行くことを早い段階で決めていた。