「アナタ1人の相手くらい簡単なのよ?」
先ほどのアリスの言葉を少し変えて挑発するように私はアリスを見る。
「…な、な、なっ」
するとアリスは悔しそうにぶるぶると震えて私をその場で睨みつけた。
もうアリスの手には凶器はない。
魔法薬を持っているor今現在仕込まれている可能性もあるが、それでも私の方が一枚上手だろう。
早く状況を理解して諦めて欲しいところだ。
「…私の邪魔をするものは消す!全部!」
だが、さすが苛烈なユリウス信者、アリスだ。
アリスは諦めるどころか懐に忍ばせていた何やら怪しいおそらく魔法薬の入った小瓶を握り締め、腕を大きく振り上げた。
「…っ!?」
あれは何の魔法薬なの!?
アリスのそんな行動を見て私は咄嗟に自身の口元を手で覆う。
だが、アリスの手にある魔法薬がこの場にぶちまけられることはなかった。
ジャンがやってきたからだ。



