推しは恋のキューピッド

するとがっちゃんは頷く。


「来年の新社会人さん用に作成し始めるみたいで。
それの表紙のモデルをどうするかって話になって…広報課全員一致であず姉にお願いしようってなったんだよね。
それで俺があず姉と仲良いって話したら、オファーしてきてってことになって…今ここ。
………で、どう?」


「えぇ〜、表紙か…そういうの苦手なんだよね。」


私の嫌そうな顔をみて、がっちゃんは笑う。


「あず姉は変わんないね。ちょっと安心したけど、でも今回はオファー係だからな。本当に写真撮るだけなんだ!だからお願い!!」




がっちゃんが両手を合わせて頭を下げる。
あまり気は乗らないが、可愛い弟分の頼みと思うと断りづらい。




「んー、本当に写真だけ?」


私が聞くと、頭を縦にふる。


「まぁ……写真だけなら……」


私がそういうと、がっちゃんは私の両手をとり、
ブンブン振る。



「さすがあず姉!ありがとー!
そしたらまた撮影の詳細は決まったら連絡いくと思うから、よろしくー!
あ、今度またあそぼうね!」



それだけ言うと、がっちゃんは広報課へとあっという間に戻っていった。



私があっけにとられていると、後ろに立っていた早川課長がぼそっと不機嫌に呟く。



「あず姉ね……」


そして少し背を屈めて、私の耳元で囁く。


「今日帰り一緒に帰ろ。」


早川課長の吐息が耳にかかり、思わず顔がほてる。
私が頷くと、それをみて満足したように早川課長はデスクに戻っていく。