推しは恋のキューピッド

そう聞くと、ウッという顔をしたが、
観念したように早川課長が話し始める。


「うん。そう。
前話したでしょ?こたろうが好きになったきっかけ。
あの差し入れしてくれるようになってから気になって、ずっと中森さん目で追うようになって、どんどん好きになった。だからあの時はこたろうが好きになったきっかけで話したけど、、、本当はあれは中森さんを好きになった理由。
っあ、でも今は本当にこたろうも好きだよ。」


そうだったのか…


「でも何年も今まであったのに、全然そんな素振りなかったですよね?こんなふうにお話しするようになったのだって、ほんとつい最近だし…」



私がそういうと、早川課長は
あーというように前髪をかき上げる。



「それは…俺が自分から人を好きになったの初めてだったから。今まではなるべく女子からは嫌われる行動を取るようにしてたから…自分からアプローチするっていうのが分からなくて…。
しかも中森さん知らないだろうけど、社内にファンクラブあるのよ。だから余計に高嶺の花っていうか…」


「え?ファンクラブ?」


「まぁそれは置いといて…
だから俺としても近づくというか、外からみて密かに思ってるだけで充分だったわけ。
でもこの間東京駅で偶然会って、ご飯行って、そこから関わりができたら、嬉しくて、どんどん欲が湧いてきて…だからあの今日の昼の合コンの話にもつい過剰に反応を…」


ハァとため息をつく早川課長に私は


「あ、あの合コンの話はカマかけたって言ってました!」

「え、じゃああの話は嘘?」


早川課長が嬉しそうに顔をあげる。


「はい!あ、でも本当に行きたいならセッティングするって言ってました」


私がそういうと、早川は課長は慌てたように遮る。


「ダメ!絶対ダメ!
……お願いだから、行かないで欲しい。」