推しは恋のキューピッド

私は課長にペコっと会釈すると、
晴香ちゃんの後を追ってエレベーターに乗り込み、
晴香ちゃんおすすめのお店へと向かった。



席に座った瞬間…
「あの早川課長どうしちゃったんですか?すごいキャラ変じゃないですか?」


晴香ちゃんがびっくりした様子で言う。
たしかに早川課長は冷徹冷たい印象はあるが、
あまりあんなに怒りや苛立ちを表にする様子は見た事ない。


「昼休みの話聞いた後、
ちょっと思うところもあって…
それであの合コンっていうワードで
早川課長がどんな反応するかカマかけてみたんですけど…」


「え!合コンってカマだったの?」
晴香ちゃんの策士っぷりに感嘆する。


「あ、でも梓さんが本当に行ってみたいなら全然セッティングしますよ!
…で、そのカマに…早川課長面白いほど引っかかってるんですよね。」


晴香ちゃんはそのまま考えて唸る。


「あのー、早川課長の好きな人って誰かは詳しく聞きました?」


「あ、その時は好きな人いるんだ。と思ったら頭真っ白になっちゃって、誰かは聞けてない。
ただ5年前からずっと好きだって言ってた。」


私が思い出しながらそう伝える。



「5年前…。そういえば、梓さんが早川課長に差し入れし始めたのっていつでしたっけ?」


「差し入れは…たしか入社して1年経った頃だから…
5年前くらいかな。」



私がそう伝えると、
晴香ちゃんはニヤっと笑う。