「帰らないでって何で…」


早川課長がそう聞くので、私は答える。


「今なんか、1人になりたくないんです!!!」

その答えに早川課長はあぁと頷く。

「あぁ、そうだよな。気が回らなくてごめん。
俺でよければ一緒にいるよ。
…どっかファミレスかなんか行くか?」

早川課長の提案に首を傾げる。


「…ファミレス?…家じゃだめなんですか?」

私は自分のアパートを指さす。


早川課長は目を見開く。

「まぁ、中森さんがいいならいいけど…本当に家でいいのか?」


早川課長は念押しする。


「いいったらいいです!…絶対今日は帰らないでください!」


私はそういうと、逃げないように早川課長のカーディガンの袖を摘んで連れて行く。


家に入ると、先程と同じ真っ暗な部屋に一瞬ビクッとしてしまう。