「今まで付き合ったりとかなかったの?」

この歳にもなって何もないというのも悲しくなるが、
事実だし、隠してもしょうがない。


「…はい。残念ながら。告白とかも1回もされたこともなく…」


「そっか。…高嶺の花的な存在なのは昔からなのか。」

早川課長はそっと呟いたあと、
パッと顔をあげる。


「じゃあ、初めての水族館一緒に回らせていただきます。」

早川課長はそういって、私の分のチケットも買ってくれた。なんだかすごく機嫌が良さそうだ。



初めての水族館はビルの上の小さい施設とは言っても、ゆっくり回るとあっという間に夕方になっていた。



なんだかんだお腹も空いてしまったので、この日は結局夕飯も食べてから解散となった。