『私のこと目で追ってる?』
それはどうしてですか?
聞きたかったけど、その勇気は私にはまだない。


「混んでるしそろそろ出るか。」

早川課長がそう声をかけてくる。

「あ、そうですね!お会計…」


私が伝票に手を伸ばすと、早川課長が先にそれを取る。

「いいから。」

「いや、でも…この間の夕飯も出してもらっちゃいましたし。」


私がそういうと、早川課長は私の頭にポンっと大きな手をおく。


「誘ってもらって嬉しかったから、ここは俺に出させて。たくさんもらった差し入れの礼もあるしな。」


そういうと、さっさと1人レジへ向かう。


……早川課長、かっこよすぎじゃありません?
その場で1人、心の中で叫びつつ、私も後を追いかけた。