「やっぱりそうなんだ。そうやって必ず弱った時だったから、俺のことこうやって気にかけてよく見ててくれる人がいるってのが嬉しかったんだ。
…それでその時に必ずついてたメモ…こたろうだったでしょ?」


早川課長がちらっとこちらを見る。
こたろうが推しになってからは、文房具系はすべてこたろうで揃えている。当時も気に入った付箋があったから、それをよく添えていた。


私が頷く。


「それで、このキャラクターはなんだろうと思って、調べたりしてるうちにだんだん好きになって…今はハムスターまで飼い始めてる。」


早川課長が最後おどけたように言うので、
思わず笑ってしまった。


「私知らないうちに、早川課長に布教してたんですね」


「効果的面だった」


2人で顔を見合わせ笑った。



「言いたくなかった訳じゃないけど、なんか気恥ずかしくてさ。メモとか、中森さんのこと目で追っちゃってるうちに、どこもかしこもこたろうだらけだからさ。
見慣れて好きになったんだよな…」


早川課長はそういうと、最後のパスタの一口を口に放り込む。


多分早川課長は自分がどんな爆弾発言をしたか、
気づいていない。