早川課長の言葉に思わず驚く。

「えっ?!私ですか?」
まさかの予想していない答えだった。


「中森さんが入社して1年経った頃、俺だんだん責任ある仕事とかも振られるようになって、認められて嬉しい気持ちはあったけど、正直今ほど効率よく仕事も捌けてなかったから、残業続きで正直精神的にも身体的にも限界直前までいってたときがあったんだ…」


早川課長の言葉で振り返る。
…そういえば、たしかに早川課長は一時期いつも以上に負のオーラを纏って、近づき難い時期があった気がする…。


「そのときにさ、中森さん覚えてるか分からないけど…
よく自分が上がる時、俺にメモつきで色々差し入れしてくれてたでしょ?」


その言葉で完全に思い出した…!
あの時の早川課長は疲れ切っているのが側からみてまる分かりだった。
早川課長には1年目のときにすごくお世話になって、密かに恩を感じていたから、何か私にできることはないかと思って、差し入れをよくしていたのだ。


「あの時期、中森さんが大体差し入れをデスクに置いてくれるのが、本当に疲れ切ったり落ち込んでいる時だったりするからさ、結構その中森さんの優しさが沁みてたんだよ…」



「私も覚えてます。なんか早川課長がすごく疲れてそうだなって思った時にデスクに置いてました…」


私の返答を聞いて、早川課長はふっと微笑む。