「はい。色々食べ比べしたかったんでしょ?あげる。」


「え、こんな可愛いところいいんですか?
ありがとうございます!」


私が笑顔で受け取ると、早川課長が優しく笑う。


「本当にこたろうが好きなんだな」


「はい!大好きです!
…そういえば、課長がこたろうを好きになったきっかけってなんなんですか?」


私がそう聞いてみると早川課長の手が止まる。

そういえば前いつから好きなのかを聞いた時も、ちょっと気まずい雰囲気が流れたんだよな…


「あ、言いたくなかったら全然…」

私が話題を変えようとしたその時

「中森さん」
早川課長が私の名前を呼ぶ。


「はい?」
私は咄嗟に返事をするも早川課長は黙ったまま。

しかし少し目を逸らしつつ、照れたように頭をかきながら、早川課長は口を開いた。


「だから…きっかけは中森さん」