「全然気がつきませんでした!まさか早川課長もこたろうが好きだったなんて…あ、もしかして周りには隠してたりします?」
私が聞くと早川課長は首を横にふる。
「いや、全然。普通に会社でも結構グッズ使ってるよ。誰にも何も言われないけど。」
早川課長もワインを一口煽る。
「早川課長はいつからこたろうが好きなんですか?」
突然早川課長の飲む手が止まる。
あれ?これ聞いちゃダメなやつだったかな…
一瞬気まずい雰囲気が流れたが
「いつからかは忘れた。でも結構前からだな。
そういう中森さんは、いつから好きなの?」
「あ、私ですか?私は上京してきた頃です。慣れないことだらけで弱ってた時に、このつぶらな瞳にやられてしまいました。あと昔ハムスターを飼っていて、その子に少し似てたんですよね。」
「中森さんハムスター飼ってたんだ。」
早川課長はそう呟いたあと、自分のスマホを弄りはじめる。なんだろと思っていると、目の前にずいっと出した。そこには可愛らしいキンクマハムスターが写っている。
