手握ったの嫌じゃないんだ…
何故かなんとなく嬉しくなる。


「そしたら帰るか。」
「そうですね。」


私達は並んで一緒にお店を出る。


「それじゃあ。お疲れ。」
早川課長の帰ろうとする背中に、私は咄嗟に声をかけた。


「あの!!!」
思ったよりも大きい声が出てびっくりした。
周りの人も振り返るとともに、早川課長もびっくりした顔で振り返る。



「どっち狙いでした??」
私の問いに早川課長は首を傾げる。


「マスコットです!2種類あったでしょ?」
私がそう言うと、あぁと頷き、少し考えたあと


「電車」


早川課長の答えを聞き、私はショップ袋から電車に乗ったこたろうマスコットを取り出し、早川課長に差し出した。