衝撃受けているとふと思い出した。
そういえば、最初お店に入った時、マスコットはもう残りわずかだったはず。


「早川課長!さっき見てた時、もうマスコット残りわずかだったんです!早くしないと!こっちです!」


お店まで来て、目当てが買えないなんてそんなショックなことはない。
私は慌てて早川課長の手をとり、マスコット売り場まで誘導する。


「え?」


珍しく早川課長が素っ頓狂な声をあげたが、そんなのは気にしてられない。
そしていざマスコット売り場に着くと…


「な、無くなってる…」


さっきまで僅かに残っていたマスコットは一つも無くなっていた。


「まぁ、この時間になったら無理かなとは思ってたから。ありがとう」


「あ、いえ…、というかまた手すいません!つい無我夢中で!」


我に返り、私は慌てて早川課長の手を離す。


「いや、別に嫌じゃないから。謝んないで。」