「さすがに見過ぎだな。あっという間に1時間経っちゃった!お腹も空いたし、なんか食べてから帰ろうかな」



可愛いショッピング袋に入った戦利品を抱えて、ほくほく上機嫌でお店の入り口に向かうと…



「え、早川課長…?」


思いもよらない人物と遭遇した。
早川課長も少しびっくりしている。


「お疲れ様です。…早川課長、どうしてこんなところに?」


「お疲れ。こたろうの限定マスコットを買いに来たんだ。」


まさかの私と同じ目的。


「もしかして、彼女さん用とかですか?」


そう聞き返すと、早川課長は不思議そうな顔をする。


「いや、彼女はいないし。自分用だけど。」


「え!自分用?早川課長もこたろうが好きなんですか?」


私がそう聞くと、早川課長は大きく頷いた。
まさかの推し被りに衝撃だ。
しかも発売日当日に数量限定マスコット狙いでくるのは、なかなかのコアなファンに違いない。