私は急いでスマホを取り出し、想さんに電話をかける。



しばらく呼び出し音が流れる。
なかなか繋がらなく、一度通話を切ろうとしたその時



「はい。」


想さんの低い心地の良い声が聞こえた。


「あ、想さん。••••今大丈夫?」


「あぁ•••大丈夫。」


想さんのその返事を聞き、私は少し深呼吸をして気持ちを落ち着けたあと、口を開いた。



「さっきはごめんなさい。そして私のために考える時間をくれてありがとう。」




「いや、あんな事突然言われたら驚くだろうしさ。」




「うん。正直驚いてフリーズした。
だから少し冷静になる時間をくれたこと感謝してる。
それでね、今考えたんだけど、
やっぱりこういう事は曖昧にしてやり過ごすのは、相手に不誠実だと思うから、ハッキリ伝えるべきだと思ったの。」




「………うん」



想さんは静かに私の言葉を聞いてくれている。




「それでね、今、想さんはどんな気持ちなのか考えたら、まずは想さんに連絡しなきゃって思って••••」




「うん」



「私はね、想さんだから。
私が好きで、これからも付き合って、一緒にいたいと思うのは想さんだから。」




私がそう伝えると、電話の向こうで鼻をすする音が聞こえる。



「想さん?」