休憩室で2人きりになると、
私はすぐにがっちゃんに向き直る。


「ちょっと!オフィスであんな事大きな声で聞かないでよ!」


私がそうピシャリと怒ると、
がっちゃんはしゅんとして謝る。



「ごめん。あまりにもびっくりして気になっちゃって…
で、本当なの?」



私は言うか一瞬迷ったが、特に隠す気もない早川課長だ。いずれすぐ皆にバレるだろう。
私も目立ちたくないだけで、隠したい訳ではない。



「うん。本当だよ。」



私がそういうとがっちゃんの顔が真っ青になり、
私の肩を掴んで強く揺さぶる。


「えぇー!相手の人って昨日いた怖い人でしょ?
なんか噂であの人は怖くて冷徹、性格が終わってるって聞いたよ!!皆んな、あず姉がなんか弱味を握られてるんじゃないかって……
もしそうなら、俺が助けるから!」



早川課長どれだけ悪役になってるのよ……
そこにもびっくりしつつ、がっちゃんには誤解されたくないので急いで修正する。




「私は別に弱味なんて握られてないから!私が純粋に早川課長のことが好きなの!
それになんか誤解してるけど、早川課長は確かに側からみたら愛想もないし、冷たく見えるかもしれないけど、本当は誰よりも優しくて、面倒見がよくて、私のこと大切にしてくれてるから!
だから、がっちゃんが心配することはないの。」


私がそういうも、がっちゃんはまだ疑ったような顔をしている。



「本当に?そう言わされてるんじゃないの?」


私は大きくため息をつく。



「がっちゃん……昔から一緒にいるんだから、私が嘘ついてるのか、本心から言ってるのか、分かるでしょ?
私は言わされてるんじゃない。本当にそう思ってる。」


がっちゃんがまだ何か言いかけたが、
私はくるっと背を向ける。


「とにかく、私が好きだから付き合ってるの。ただそれだけ。変な噂真に受けないで。」



それだけ言って、私は休憩室を後にする。



1人残った楽は、その場にただ立ち尽くす。


「なんで……やっと追いついたと思ったのに……」


そう呟くと、拳を強く握った。