次の日、いつも通り会社に出勤すると
なんだか通りすがりの人達に、好奇の目でみられている気がする。


嫌な予感がする…


自分のオフィスに入ると、晴香ちゃんが一目散で駆け寄ってきた。



「梓さん、すごいですよ…。昨日の一緒に帰ろうの件で、社内中もう早川課長と梓さんが付き合ってるんじゃないかっていう噂がたってます！」




私は晴香ちゃんの報告にげんなりする。
やはり恋愛系の、しかも社内で有名人の早川課長の話ともなれば、噂話が一瞬で広まったようだ。



「目立ちたくない。もうほっといて欲しいよー。」



私が項垂れると、晴香ちゃんがよしよしと背中を撫でてくれる。
そんな私に追い討ちをかけるように、
オフィスの扉がバンっと開き、がっちゃんが慌てたように入ってきた。



「あ！あず姉いた！今噂で聞いたんだけど、あの人と付き合ってるって本当なの？」



あまりの大きな声で、フロア中に丸聞こえだ。
周りの皆んなが気になって、聞き耳を立てているのがなんとなく分かる。



「がっちゃん………ちょっとあっちに行こうか。」




私は問答無用でがっちゃんを休憩室へと連れていく。