「二人は、体調大丈夫?風邪とか引いてない?」
自分が一番苦しいのに、わたしたちの心配をしてくれる凪のお母さん。
凪は静かな落ち着いた声で「大丈夫だよ。俺たちは元気だから、心配しないで。」と言った。
「ねぇ、凪。」
少し息苦しそうにお母さんが凪を呼ぶ。
「ん?何?」
「今まで、、、苦労や、心配ばかりかけて、ごめんね。」
「何言ってんだよ。苦労してきたのは母さんの方だろ?俺は、母さんに感謝してるんだよ。」
「凪には、これから、、、美月さんと幸せになって欲しい。それだけが、、、お母さんの願い。」
「俺はもう幸せだよ?だから、心配しないで?」
「それなら良かった。美月さん、、、凪を幸せにしてくれて、ありがとね。」
わたしは凪のお母さんの手を握り締めると、「いえ、わたしも凪に幸せにしてもらってます。」と伝えた。
「二人の結婚式、、、出席したかったわ。」
「何言ってんだよ。母さんに出席してもらわないと困るよ。」
「欲を言えば、、、孫を抱っこしたかったわ。」
「それまで生きててもらわないと。俺も、母さんが孫を抱っこしてる姿見たいよ。」
凪のお母さんは、穏やかな表情で頑張って今の気持ちを伝えてくれた。
そんな姿に、わたしは泣きそうになったが、凪の後ろで凪と手を繋ぎ、何とか二人で涙を堪えていた。
そして、あまり長居すると、お母さんに無理をさせてしまうと思い、病院をあとにしたあと、わたしたちは車の中で一緒に泣いた。
凪のお母さんは、まるで"話せるうちに話しておきたい"とでも言うかのように、苦しい中で頑張って話してくれ、それをわたしたちは感じ取り、悲しくて仕方がなかった。



