その後、凪は出来るだけ"優しく"を努力してくれて、わたしはそれほど痛みを感じずに時間をかけて、気持ち良い行為を体感することが出来た。
「美月、ありがとう。可愛かったよ。」
行為が終わると、凪はそう言ってわたしを抱き締めながら頭にキスをした。
「また美月の"はじめて"もらっちゃった。」
「だから、言ったでしょ?全部あげるって。」
「もう一回戦やる?」
「ちょっと凪、これからお母さんのとこ行くんだよ?」
「わかってる。」
凪はそう言うと、「じゃあ、また今夜な。」と言い、悪戯な微笑みを浮かべ、わたしを照れさせたのだった。
それから、わたしたちは着替えて出掛ける支度を済ませると、凪のお母さんが入院する総合病院へ向かい、お母さんに会いに行った。
「お母さん!」
病室に入ると、お母さんは酸素マスクをつけてベッドに横になっていた。
「あら、美月さん。凪。来てくれたの?」
「今日の体調は?」
凪がそう訊くと、お母さんは「今日はちょっと朝から息苦しくて。だから、酸素マスクをつけてもらったの。」と言った。
「え、それなら、あまり喋らない方がいいですよね。」
わたしがそう言うと、凪のお母さんは「大丈夫よ。せっかく二人が来てくれたんだから、お喋りしたいわ。」と言ってくれたのだが、元気に見せようとするお母さんの話し方は、明らかに苦しそうだった。



