ありふれた日常こそ、尊い。


それから休憩、その後の勤務中にも関わらず"違う形でのお返し"について考えていたわたし。

帰りまでに考えといてって言ってたよね。

わたしの中で色々考えた結果、ある事をお願いすることに決めた。

その帰り、今日も凪は販促課の事務所までわたしを迎えに来てくれた。

「美月!」

凪の呼び掛けに振り向いたわたしは、凪に向けて微笑みかける。

そしてバッグを肩に掛けると「お疲れ!」と言い、凪に歩み寄った。

「例のこと、考えといてくれた?」
「うん、決まったよ。」
「じゃあ、車の中で聞くな!」

そう言って、わたしたちは退勤し、駐車場に向かうと凪の車に乗り込んだ。

「それで?俺は、何で美月に返せばいい?」

凪がそう訊くので、わたしは答えた。

「凪が作るご飯が食べたい!」
「えっ、そんなんでいいの?それなら、いつでも作るのに。」
「あと、、、もう一つあるんだけど、いい?」
「うん、何?」

凪はハンドルに片手を乗せながら、わたしの方を向いて訊いた。

「、、、抱き締めてほしい。」

わたしがそう言うと、凪は「え、、、」と驚いた様子でわたしを見つめた。

「昨日、凪に抱き締められた時、緊張し過ぎて、、、全然覚えてなくて。だから、、、今度はちゃんと、、、凪のぬくもりを感じたいなって、、、」

わたしはそう言い「ダメ、かなぁ、、、」と恐る恐る訊いた。

すると凪はフッと俯きながら笑い、顔を上げると「それ、美月へのお礼ってより、俺へのご褒美じゃん。」と言ったのだった。