ありふれた日常こそ、尊い。


「じゃあ、明日申し訳ないけど、母さんのこと頼むな。」

帰る間際、凪が言った。

「任せて!わたし頼りなくて逆に心配かもしれないけど、凪は打ち合わせ頑張ってきて!」
「ありがとう。でも、美月を頼りないなんて思ってないよ。凄く心強い。」

そんな会話を終え、凪は「じゃあな!おやすみ!」と帰って行き、わたしは「気を付けて帰ってね、おやすみ!」と手を振って見送った。

一人になった、いつものオタク部屋でわたしは、何となく寂しい気持ちになっていた。

一人で居るのなんていつもの事なのに、、、
この空っぽになったような心の寂しさは何だろう。

わたしはベッドに寝転がり、天井を見上げた。

いつの間にか、わたしのそばには凪が居てくれることが当たり前になってきていて、この部屋に戻ってくれば元気を取り戻せるはずだったわたしが、凪の存在を求めるようになっていた。

わたしは身体を起こすと、明日の為に早く就寝しようと、シャワーを浴び、寝る支度をしてから布団に入った。

明日で凪のお母さんと会うのは二回目だ。

けど、まだ二回目になるのに、全然緊張はしていなかった。

むしろ、凪のお母さんに早く会いたい。
そう思った。

「ザッ◯ス、おやすみ。」

わたしはそう呟き、目を閉じた。

その日の夢には、凪が出てきて、わたしを抱き締めてくれていた。

本当に抱き締められた時は緊張でぬくもりを感じる余裕なんてなかったけど、不思議と夢なのに、夢の中で凪のぬくもりを感じることが出来た。

不思議な夢だった。