ありふれた日常こそ、尊い。


そして昼休憩の時間になり、わたしはトイレへと向かった。

女子トイレに足を一歩踏み入れた時、中から「杠葉さんてさぁ、」と言う声が聞こえてきた。

その声に立ち止まるわたし。

中からは、化粧直しでもしてるのか、女性社員二人の声が聞こえてきた。

「絶対男ウケ狙ってるよね!」
「分かる。だって、上司からのセクハラだって笑って喜んでるじゃん!」

その言葉を聞き、「喜んでるんじゃなくて、笑って受け流してるだけなんだけどなぁ。」と心の中で呟いた。

「しかも、周りの人とあまり仲良くしようとしないし、自分がモテてるの自覚しちゃってるよね。わたしから話し掛けなくても、話し掛けてくれから〜みたいな!」

そっか、そうゆう風に思われてるのかぁ。

わたしは元々、人とコミュニケーションを取るのが苦手で、話が合う女友達も居なくて学生時代はずっと一人だった。

でも、社会人になるのをきっかけにイメチェンをした、いわゆる社会人デビューをした理由は、社会に出れば必ず仕事でコミュニケーションが必要になると思ったから。

よく"女は愛嬌"なんて言葉を聞くから、それを自分の中で唱えて、無駄に触ってくる上司からのセクハラも笑って受け流してきたし、人から話し掛けられれば相手を嫌な気持ちにさせないように接してきたつもりだ。

確かにわたしは、周りの人と仲良くしようとはしていない。

自分からは業務上、必要な内容しか話し掛けないし、プライベートな話は誰にもしたことはない。
凪を除いては。

それが、そうゆう風に見えていたなんて、、、
まぁ、わたしはどう思われてもいいけどね。